January vol.2 [映画『禅ZEN』]
喜びも苦しみも涙も・・・。あるがままに。
21世紀は「心の時代」といわれる。混沌を極め、心の荒廃が取りざたされる現在、禅ZENが世界に与える希望ははかりしれない。
映画『禅ZEN』ポスター
日本人がかつてもっていた非言語の世界「心の豊かさ」と
それを透過した「愛語」の世界 ——。
現在、『禅ZEN』という映画が公開されています。さすがにこのタイトルが気になり、ただそれだけのきっかけで先日観に行ったのですが、自分がこれまでに観たことがないような映画で、だんだんと気持ちが浄化されてゆき、観終わった後にはなんだか心が安らいで清々しい気持ちになりました。
鎌倉時代の僧、道元禅師の生涯を描いた映画。「只管打坐(しかんたざ)」の考えに目覚め、大宋国での修行より帰国した道元禅師が、勢力入り乱れる鎌倉時代に禅の教えを広めていく。困窮する人々にも権力者にもわけ隔てなく、出会った人々に自らもひとつになって受けとめ、真の教えを説いていくといったストーリー。
観ているうちにどんどん引き込まれていきました。そのうち、戦の絶えない鎌倉時代に戦々恐々として生きる人々と、将来に対する漠然とした不安を抱えて生きる現代人が重なって見えてきました。度重なる戦や貧困による物質的な貧しさ、経済発展による便利な生活の裏にある心の貧しさ。失われたものは何か、私たちが取り戻すべきものは何か、今こそ本当に向き合わなければならない大切なことがあるのではないか、といったことをつくづく考えさせられます。

道元は、「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり」と日本の原点を見事に表現していますが、さらに道元が行き着いた世界は言葉では表すことのできない非言語の世界でもあるそうです。日本人がかつてもっていた非言語の世界は「心の豊かさ」に通じ、さらに「心の豊かさ」は非言語の世界を透過した「愛語」の世界に帰結するそうです。「愛語」というのは深い愛情の心から生まれる最悪の言語のない優しく慈しみ深い言葉のことを言うそうです。
誰しもが、このようなちょっと小難しいことを考えてお坊さんのように悟りを啓くといったことは出来ませんが、世界中の人々が少しだけ、ほんの少しだけでもこういった「愛語」のような心を持っていくことが本当の幸せや真の平和への根源のような気がします。

皆さんも是非御覧になってみて下さい。
zen nutrition
田中 宏明
映画『禅ZEN』Official web site
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